9月15日から17日にかけて、大雨の間隙をついて南会津の御神楽沢に行って来ました。関東東海地方は大雨でしたが、山を越えた福島と新潟の境はいい天気でした。--- 高尾文雄

 

 

只見川袖沢御神楽沢

 

日時:    2000915日−9月17日(2泊)

メンバー:  高尾文雄、芝田之克、芝田誠通(筆者)

 

9/15(金) 晴れ、フエ-ン現象で暑い

新幹線浦佐7:39着、バス8:009:10奥只見ダム、袖沢本流出合10:45発―ミノコクリ沢出合()14:30−取水口15:40−ミチギノ沢出合16:30

浦佐駅前からのバスはシルバーラインを快適に飛ばし約1hでダム下のケーブルカー駅に着く。料金900+荷物代100円は安い。土産屋の主人に工事で9月末までは袖沢林道へは入れない、地元の人でも入れてもらえないと言われる。山渓などに通行止めの案内を掲載しているとの事。半信半疑で道路を歩いていくと、工事用車両(ダンプ)がたくさん走っており林道の入口にガードマンが3人いて進入を断られた。この道路は電源開発の管理用道路で工事用車両の安全確保の為10月中旬まで工事関係者以外は通せぬと言う。仕方なくゲートから200m程引返し駐車場脇で作戦会議。工事は只見川下流部で行われており袖沢林道に入ってしまえば問題ないこと、林道を通らず袖沢へ入れば文句は無いハズと 協議の結果、駐車場裏から藪に入って道路を2度横切り(途中ダンプが来ると身を隠し)本流へ下降成功、ワラジ(渓流シューズ)に履替え出発。ダム上部の工事関係者に見つかることを気にしながら急ぎ本流を渡り袖沢に入って沢をしばらく歩いてから林道に上がった。

夏の間人が入っていないということは岩魚が一杯釣れるに違いないと(本流で早くも魚影が見えた)胸をふくらませて林道を歩く。林道はよく整備されておりミノコクリ沢出合すぐ手前の小屋まで車通行可能、(その先の斜面がガレ場で車通行不能)ここから先は雑草は多いが林道ははっきりしており取水口まで続く。途中、林道偵察の車1台(林道を使うことを大目に見てもらう、会わなかったことにして戴く)、釣師に3度ほど会った。取水口から左岸沿いに(不明瞭な)道がありそれを辿り大滝を越えて次の小沢を降りて本谷に入る。取水口から上はさすがに本流だけあって水量が豊富である。ミチギノ沢出合(右岸)には何と6-7人の釣師が先に幕営しており釣った岩魚(大物で約40cm)をたくさん焼いていた。この先には適当なサイト地が無いとのことでミチギノ沢出合左岸側のサイト地に幕営する。上流で少し釣ってみるが全然ダメ、乾燥した流木を沢山集めて炎の大きなファイヤーで楽しむ。21:00酩酊して就寝。

 

9/16(土) 晴れ、夕方から小雨

起床5:106:35出発―釣り数回―ムジナクボ沢手前15:15

今日の工程は長くはないが途中でたっぷり釣りをする為に早く起きる。木が乾燥していて火付けが早いと薪ワークは実に早い。大きな魚影を見る度に竿を出す。持参したミミズが全部死んでしまいそのミミズでは全く食わない。それと昨日の釣師がかなり上流部まで上がって来ており苦戦する。ミミズを諦めトンボ、川虫、サンショウウオ、カタツムリの切身でTRYするとすぐに釣れた。自分の竿は調子が柔らかく30cmものになるとゴボウ抜きが出来ず苦労した。Cont1300付近まで魚影が見え好ポイントの度に竿を出したが餌の補給が間に合わず20cm以上5匹の釣果。

難易度の高い滝の直登は少なく、巻道もしっかりしており安全な沢である。Cont1550付近の滝右岸を巻き終わったところで幕営、ムジナクボ沢出合上部(本流右岸)にも大きなテントサイト地があったがフアイヤーがし難いので手前で泊まる。流木が少なく大きなフアイヤーは諦める。明るいうちに夕食となったが夕方から小雨模様。岩魚は時間を掛けてゆっくり焼く。17時前に5人のPartyが遡ってきた。桧枝岐から入山し稜線からミチギノ沢を下り今日で2日目とのこと。袖沢林道が入れないことを知っていた。岩魚は1匹しか釣れなかったと言う。男3女2人の強行軍であり釣っている暇が余り無かったと思われる。天気図(台風接近中)を見せてやり上流のサイト地を案内した。雨は小降りでおさまり岩魚は上手に焼けた。30cm級は肉が厚く食べ応えがある、メスは卵に栄養を取られ身が細い。大きなフアイヤーにならず20:30就寝。

 

9/17(日) 雨、日中は曇り、15時頃から大雨

起床5:107:10出発―稜線9:35―会津駒ケ岳10:00−駒の小屋10:40発―登山口バス停13:00、温泉・截そば、バス14:5016:20会津高原駅、16:58快速19:51北千住着

小雨の中火付けに苦戦し出発が遅れた。傘を使い何とか飯盒炊飯する。昨日の5人Partyをじきに追い越す。水を汲んで最後の二股を右へ入り小沢を詰め駒ケ岳北西のコルを目指す(その方が熊笹が少ない) 沢が無くなり15分程熊笹を漕ぐと稜線に出た。雨も上がり時折ガスが薄くなるが遠望はきかない。頂上で証拠写真を撮り直ぐに小屋へ向かう。きれいな小屋だ(素泊まり3000円) 中年登山ブームで女性の山屋さんが目立つ。落差1200mの下りは道が歩き易く楽に下れた(百名山効果?)村役場近くの村営の温泉(500円、屋外風呂あり)に入り その後そば屋で反省会。村で一番の老舗で截そばの看板(ノボリ)が掛かっている。そば粉100%の本物で腰の強いざるそばを楽しむ。店の壁に大きな新しい魚拓が張ってある。最大は1尺6寸、場所は秘密らしく奥只見ダム上流とだけ書いてあった。小さいものでも40cmはある。今日釣ってきたと言う岩魚を4-5匹見せてもらった、35cmはあった。14時過ぎから本降りとなり会津高原駅でバスを降りる頃には大雨となった。赤石沢へ行ったPartyを心配する。

台風接近、近畿・中部・関東と天候不順の中、フエーン現象で好天になるなど天気に恵まれ 岩魚も程ほどに釣れて安全な楽しい沢登りであった。8月の平ケ岳―恋ノ俣川に続き岩魚も釣れて充実した沢登りとなり 来年もまた魚の釣れる沢に行けることを願い帰京した。

下山後2日間程筋肉痛がひどかったがまだ来年も行けるかなと自信を持てた山行となった。

10月の連休はお休みしてその次の週に妙高・笹ヶ峰京大ヒュッテに家族4人で遊びに行く予定。天気が良ければ皆で高谷の池、火打山まで行きたい。  (まさみち)