岡山の山を登る会 2002年10月

                        高村泰奉樹

 

 

10月26日 奥津温泉・道の駅に正午前に集合。「上斉原温泉

国民宿舎いつき」で昼食後、昨年悪天候のため中止した、岡山県

森林公園内のルートをわかれて歩く。秋の霖雨が急にあがって、

陽がさすなかを、規模は小さいながら谷や尾根のみちを、一時間

半ばかり楽しく歩く。夕方の宴は、病院日直から駆けつけた院長

中島ダンナの先日の知床縦走50周年記念会の報告のあと、倉吉

の薮内ラショウさんと和子さんの新しい旅立ちを祝って、斉藤Y

さんの発声で乾杯。ささやかながら記念品贈呈。あとはそれぞれ

近況の報告、部屋での二次会では先日の知床記念会で寺本が勤めた

パワーポイントによる「実録厳冬期知床初縦走」の画像と講演の

再演。

 

10月27日 昨年泉山の登山口、思い出の笠菅峠をこえて、

東におりて倉見から北上。山間部の道のツアーがたのしいが、

時折前後の車の連絡が切れて不安になる。実に6台の車のそろい

踏み。斉藤Yさんは緊用のためあさ6時に発って行った。勝間田

農業高校の演習林入り口から三十人ヶ仙への尾根に取り付く。

ながい車道を当分はわいわい言いながら行くが、ブナやカエデの

樹林帯の急坂になると、杖突きながら一歩いっぽである。やぶこ

うじの赤い実が目に付く。さすがに1100メートルくらいの峠

はけっこう遠い。峠からは多くの人は空身になって、尾根のアッ

プダウン、ときに高い笹かきわけて三十人ヶ仙を往復。頂上は狭い

ので、左右二手にわけて記念撮影。ただちに引き返し、峠でザック

を回収して、さらに半時間かけて天狗岩1196メートルにいたる。

いちど樹林のなかをおおきくくだってまた登る。すこし雲行き怪し

い、風もつよくなり尾根で帽子吹き飛ばないように、留めゴムベルト

をつけていると、大きな羽音で雉が飛びたつ。

 

頂上はすでに午後一時をかなりすぎていたか。原田A氏がかつぎあげ

た二本のボルドーは、久しぶりの山あるきに夫婦そろって加わった

岩坪五郎の選択、差し入れ。ただし推薦者は、自称実践はともかく酒

理論において並ぶものなき左右田ガンコ師とのこと。マグカップにな

みなみと注いだワインが、つぎつぎと回しのみされる。川崎夫妻のこ

まやかな配慮で、ひとつづつ冷えたままパックの缶ビールを飲むころ

には雲行き怪しく、寒くなってきた。大陸からもうひと吹きくると、

雪だろう。くだりはこのごろ流行の「おりらーく」を、多くのメンバ

ーが足に装着。これをもちこんだのは、ほかでもない、この岡山の山

を登る会の元締め、寺本@ゼネコン である。最初は妙なものを蔓延

させないでとひそかに思ったが、どうやら時代の趨勢には勝てない。

アルテック原田は、これを改良、もっといいものを作るというのだから

どうやら、かれも降りるのが楽だったらしい。私はこんなものに頼るよ

うになったら、山屋もだめだなと思っている。効用はまだ判断し難い。

しかしものはためし、常識的な年齢にそぐわない行動をするためには

いささかの工夫も必要かもしれない。昔の四本爪のカンジキと、一時

流行ったキャラバンシューズの土踏まずのトリコニーもどきを足して

二で割ったようなもの。それでこけつまろびつを避けながら、また

人によってはご丁寧に二本のストックついて、無事にくだるのだ。

計画書にも、ストックのご持参をお薦めしますとコメントがある。

 

再び峠を西に越えて午後4時過ぎに奥津に戻り、花美人の里の湯でく

つろぎ、来年もまた岡山で、という要望に困り寺本、川崎とその協力者

はまた引き受けることになりました。どうか新たな参加を待ちます。

参加者名など後日記します。

 

---------------------
 
京都市伏見区深草

 

takamura@bb.e-mansion.com