2020年 6月

夕暮れまで飛んで見たヒマラヤの姿

上田 豊

ネパール・ヒマラヤの空撮が2007年11月下旬から12月初旬にかけて、朝日新聞社の小型ジェット機で行われた。地球温暖化のもとで変化するヒマラヤの氷河の変動をとらえるためで、同社(武田剛カメラマン)と名古屋大学の雪氷圏研究室(藤田耕史)との共同企画だ。名大の研究室には1970年代にネパールで飛行機をチャーターして撮影した氷河の写真が約1万3千枚ある。それらの写真と比較研究することが、この空撮の目玉であった。

空撮には70年代の当事者として、名大を定年退職したばかりのわたしが加わることになった。70年代の研究目的のフライトは、好天の午前中だけ飛んだ。今回の飛行はベテランの関口博之機長ら4人の日本人クルーにより、得難い撮影ショットを求め、姿をかえる峰々へ時刻をかえて繰り返し飛んだ。夕暮れのヒマラヤ上空で旋回しながら、光線の変化を追った。カトマンズ上空に戻った時には暗くなっていて、滑走路両脇の灯列に導かれて着陸したこともあった。

飛行中は研究目的の撮影の合間に、わたしは自分のポケット・カメラ(キャノン IXY 900 IS)でも撮影した。20才台の始めと終わりに登ったアンナプルナ南峰(ガネッシュ)とヤルン・カン(カンチェンジュンガ西峰)に思い入れがあったからだ。ここではそれらの、夕暮れまで飛んで撮った写真を紹介する(撮影 上田 豊 名古屋大学)。

参考文献: 空撮で見たヒマラヤの変貌。 上田 豊、AACKニュースレター No. 45, April 2008

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