山スキーの道具について

2000年11月22日水曜日

高尾文雄

山スキーの道具 山スキーは最近道具の進歩等により、かなり色々と楽しみ方の出来るジャンルとなっ た。過激な険しい斜面での滑りを目指すものから、軽い雪上散歩まで幅が広くなって きた。

ここでは 滑りに重点を置いた最近の山スキー道具について私なりの意見を述べる。みなさん の道具選びのお役に立てば幸いです。

スキー

ここ数年スキー界を席巻しているカービングスキーが良いと思います。新雪や悪雪に 強く、回転しやすく、リカバリーもしやすい。短くてもずれないので安定してスピー ドが出せる。 トップ幅は100mm程度のもので、身長と同じか少し短い長さが適当。 トップは軟らかく、テールが堅く、剛性の強いスキーを選ぶ。特にねじれ剛性が従来 のスキーよりも要求される。ボックス構造やチューブ構造が剛性が強い。 回転の仕方が従来のスキーとは違ってくるのでゲレンデの練習が必要。 シール 張り付けシールは当然であるが、カービングスキーの場合は板の形がひょうたん型に なっているので、シールもその形に合わせないと斜登行したときにシールが効かな い。一番幅が広いトップに合わせた幅のシールを買い、形に添って余分なところを切 り落とす。エッジを出すため少し内側までカットするのことに注意。

 

スキー兼用靴

滑りに重点を置くのであれば堅い靴が良いが、歩きづらい。滑り中心であればスカル パ デナリ。 歩きを中心に考えるのであれば、軟らかく軽い靴が良い。ダイナフィット、ノルディ カTR−12。 歩き易さと滑りの両方を求めるのであれば、多少中途半端になる。ノルディカTR− 10、ローバ。 すべてを満足する靴は今のところ無いので、自分の滑りや指向に合わせる。

 

ビンディング

セーフティーを重視しないと思わぬけがをします。一番優れているのはフリッチ  ディアミールです。 前後にセーフティーが付いていて、調整もできる。登行サポートも多段付いていて、 付属品でクトー、スキーブレーキも付けられる。 エメリー エナジーもなかなか良いが、プレートがプラスチックで耐久性に疑問があ る。プレートが軟らかいのでラッセル時に外れることがある。メリットはブランコ式 でバネが付いていないので登りのエネルギーがセーブできる。 ジルブレッタは#400もイージーゴーも開放機構が不十分で縦走では使えるが、滑 りが中心の山行には向かない。 ビンディングの開放強度の調整は必ずやる。初めは少し甘めにして、簡単に外れるの であれば次第に強くして 調整する。時々不具合がないか確かめる。

 

安全のために必要な道具

スコップ:冬山個人装備になってきているスコップだが、山スキーの場合は特に必携 品である。雪崩で埋まったとき、ビバーク用の半雪洞を掘るとき、新雪の中でスキー が外れて埋まったとき等使い道は様々。コンパクトで軽いものが出ている。ブラック ダイヤモンドが良いが少々重い。プラスチック製は堅い雪にはねかえされるのもがあ るので注意(オルトボックス)。

ゾンデ棒:雪崩で埋まったときの初期捜索で役立つ。長さもいろいろあるが、初期捜 索が目的なのであまり長いものはいらない。

ビーコン:雪崩で埋まった人を捜す場合の必需品。受発信のできるものを選ぶ。オル トボックス、アルペンビーコンが一般的。捜索時にLEDと音の強弱で探せるものが ベスト。 以上